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法律……?

きんときくんの発した言葉が、ぐるぐると頭の中で反芻する。けれど、思い当たる事がなくて。


「えっ?知らない?あー……そっか。Aさんいつも授業寝てたから」


『………もしかして、私の状況結構まずい?』


「うん。もし俺が捕まったら、Aさんも一緒に罪に問われちゃうね?」


絶望しかける私とは真逆に、きんときくんはくすくすととても楽しげで。でも怒るに怒れなくて。


『言ってよ』


「言ったら血吸わせてくれなかったよね?」


『………うん』


こればっかりは、私の日頃の行いのせいかもしれない。これからはちゃんと授業も聞いて、ちゃんとニュースを見ようと密かに決意を固めた。



「まぁ、大丈夫だよ。このこと秘密にしてくれる限りは俺も黙ってるし」


『きんときくん……』


「ってことで、今日の血頂戴?」


少しばかり感謝の思いが湧き出してきた時、次の発言であっという間に感謝の思いが引っ込んだ。悪びれる様子もない清々しいほどに爽やかな笑みに、怒りを通り越して呆れすら覚える。


「ほら、座って?」


きんときくんは地面に座り、とんとんと足の間の床を叩いた。大人しく指し示された場所に座ると、後ろからぎゅっと優しく抱擁された。


「……怖い?」


私の体の僅かな震えを感じ取ったのか、何時もよりも少し低い声が優しく問いかけた。
昨日は、彼の正体が吸血鬼だったことへの動揺だとか色々な思いが交錯していた事であまり感じなかったけれど、改めて血を吸われるという行為に恐怖を覚えた。目の前の……いや、今後ろで私を抱きしめている人物は、人の形をしながら人間ではない、言ってしまえば怪物のようなもので。そんな存在から逃げだすことの出来ない現状に体が震えた。


「大丈夫、怖くないよ」


ちゅ、と軽いリップ音が首元で鳴って、思わず上擦った声が出る。体がビクリ、と一際大きく震えて、でもそのおかげか、少しばかり体の緊張が解けた。それを感じ取ったのか、ふふっ。ときんときくんは満足そうに笑った。

✽→←気がつけば崖っぷち



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神崎いのり(プロフ) - ゆのさん» 返信が大変遅くなってしまい申し訳ございません。コメントありがとうございます…!そう言って頂けてとても嬉しいです🥰緩くではありますがちまちまと更新していきますのでお付き合い頂けると幸いです✨ (4月19日 16時) (レス) id: 8fac357c0d (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - ほんとにとても癖です、、、!!!更新待ってます😿 (12月28日 15時) (レス) @page11 id: 8aabdc3085 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神崎いのり | 作成日時:2023年12月15日 23時

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